セックスレス うつ病
●「うつ病」の前兆はどんな症状が出るか? もし何らかの原因があったとしても、周囲から見て本人にとってかなりの大事件でない場合は、健康であれば2,3日で回復してくるはずです。ですから、最初にも書きましたように、おおむね2~3週間を目安に、それ以上落ち込んでふさいでいる状況であればうつ病を疑ってみてもいいでしょう。 普通、うつ病の症状として早期に出てくるものは、軽いうつ状態になっていることもありますが、その多くは前兆として ・眠れない・イライラする・なんとなく元気がない・口数が少なくなった・話しかけても反応がにぶくなった・食欲不振・疲れやすい といった症状が出ることもよくあります。できればこの段階で発見してあげたいものです。注意したい点は、体の不調を伴うことが多いため、最初にうつ病以外の病気になったのではないかと本人も周囲も思ってしまいやすい点です。しかし、あくまでもうつ病の中心的症状は「精神的」なものだということを覚えておいてください。 ●「精神面」の症状は? うつ病は、別名(感情病・気分障害)などと呼ばれるように、感情と意欲に障害を受ける病気です。 精神面の障害についての具体的な症状は ・感情面・・・落ち込み・不安・イライラ・覇気がない・自分を責める・悲観的・絶望的・罪悪感・意欲面・・・全てがおっくうになる・以前からの趣味に興味がなくなる・仕事をする気になれない・歯磨きや入浴・洗顔や髭剃りなど、当たり前にしていたこともおろそかになり、 身だしなみにも関心がなくなる・閉じこもり・性欲低下・自殺を考えるようになる・思考面・・・集中力が低下する・判断力や決断力が鈍る・正しい判断ができなくなる ●「身体面」の症状は? 列挙してみます。 (上から) 頭痛・めまい・耳鳴り・口渇・味覚障害・食道付近の違和感・肩や首のこり・悪心・嘔吐・心悸亢進・頻脈・胸部圧迫感・呼吸困難・過呼吸症候群・食欲不振・体重減少・胃部不快感・腹部膨満感・腹痛・下痢・便秘・手足のしびれ・冷感・筋肉痛・腰部背部痛・頻尿・排尿困難・性欲減退・インポテンツ・月経不順・睡眠障害・疲労倦怠感etc. ●「うつ病」と性欲うつ病になったからといって必ず性欲がなくなるとは限りませんが、よく見られる症状であることは間違いありません。この場合、男女とも性的関心がほとんどなくなってしまうことも少なくありません。そもそも、「うつ病」になると食欲や性欲に関係の深い脳の部分(間脳など)に機能障害が起こるとされています。この脳の部分は生命活動に関係が深いところで、ここに障害が出てしまうことで人の基本的な本能である「食欲・性欲・生存欲」が低下してしまいます。 特に、「軽症うつ病」の場合、精神的な症状が表面化する前に「性欲の低下」が起こる場合もあり、男性の場合は「仕事の疲れかな?」と思い込んで放置していることも多いようです。 ●もしあなたの夫が「うつ病」になっていた場合、あなたのとるべき正しい対応は? かけ足でご説明してきました「うつ病」ですが、もしあなたのご主人が「うつ病」の疑いが濃厚な場合、まず一番大切なのは「休養」、そして、二番目が「原因となっているストレスから一刻も早く離れること」です。また、治療としては坑うつ薬・坑不安剤・睡眠薬などの薬物療法をしっかりと受けること、これに尽きます。必要な場合はカウンセリングや催眠療法など併用します。あなたの夫への対応として大切なことは ・決してなぐさめたり、励ましたりしてプレッシャーをかけないこと。どうしても物事をネガティブ に考えてしまうので、そういう気を使ってもらっている自分に無力感を感じてしまいます。ただし、話を聞いてあげることは非常に重要で、うつ病特有の「孤独感」の緩和には有効に働きます。もちろん、反論や正しいと思うあなたの意見は言わないようにしてください。落ち込みを強くしてしまいかねません。そして、それ以外はできるだけそっとしてあげるのが一番。 特に「軽症うつ病」で会社に行きたくないところを必死で仕事をこなし、帰ってきたご主人に一番必要なのは「休息」です。できれば話もしたくないはずです。また、現在では坑うつ薬などが非常に進歩してきているため、「軽症うつ病」であれば仕事を続けながら薬を中心とした治療で効果的に治せる場合もあります。 もし病院にいかれる場合はいきなり「精神科」では少々通院しにくいでしょうから、総合病院内に「心療内科」があるところでまず最初に見てもらえばいいと思います。 ・決して無理をさせない。責任感の強い夫であればあなたの言うことに強く抵抗し、仕事をさらに熱心にやろうとしがちですが、悪循環に陥ってしまったら取り返しがつきません。ストレスの原因が仕事にある場合も多いのですが、仕事であればなおさら「休養」などの勧めには抵抗するはずです。ですから、そんな場合はあなたの愛情が鍵を握ります。 たとえ仕事は一時的にダメになったとしても、現在の日本であれば、再起のチャンスはいくらでもあること、休養してもその分は健康になりさえすれば必ず取り返せること、たとえ少々会社などの出世に響いたとしても、妻として夫の健康の方がはるかに重要であることをしっかり伝えれば、きっとわかってもらえるはずです。 ・怠けているわけではないことを理解してあげることが重要。もちろんセックスに関しても同じ事で、怠けている、めんどくさがっているのは「うつ病」の症状から来ているかもしれません。治療を受けてもらえれば、軽症のうつ病であればたちどころに回復して(といっても最低2~3ヶ月はかかりますが・・・)セックスレスから脱出できるかもしれません。 相手が問題を抱えているときのあなたの思いやりや献身的な行動は、ひいては一生二人を強く結びつける絆を作ってくれるでしょう。 とにかく、早期発見・早期治療が鍵を握っています。また、あせらず二人でじっくりと治療に取り組んでみることです。あせってはだめです、必ず治りますから。 ②性欲低下症 前出の「うつ病」もこの「性欲低下症」を引き起こす代表的な疾患でしたが、他の要因によって三相概念のうちの「性欲相」に障害を受けた場合、うつ病でなくても性欲が減少してしまい、要するに 気分の落ち込みは全くないが、セックスをしたいという欲求が起こらない 状態になってしまいます。この中に入るもので、区別しておかなければいけない特殊なものに、結婚初夜から問題が発生する「アセクシャル」という発達障害がありますが、この部類に属する人は思春期から全く性への関心がなく、もちろんセックスの経験もありません。 また、周りの状況から結婚をすることもあるものの、もちろん妻とのセックスもできず、結婚初期から問題が発生するのですぐに明るみに出てきてしまいます。 この部類は残念ながら深刻な病気の部類に入ってしまうので、ここでは取り扱いの対象から外します。 さて、この「性欲低下症」についてですが、直接の要因にはうつ病などと共通の「過労」や「ストレス」があり、それが引き金になって「性欲」がなくなっていってしまうのはうつ病と似ているようです。しかしこのタイプの場合、その他はいたって健康なわけですから、妻側としては納得できないところでしょう。また、直接の要因のほかに、深層心理から影響を受けていて、本人が気づかないうちに自ら性的な興奮状態になることを抑制している場合もあります。 このような場合の夫の特徴は、「セックスをしないといけないとは思うのだが、その場になると性欲がわかないし、立たないのでできない。」という場合と、「できる場合もあるが、非常にがんばらないとできない。」というパターンが多いようです。 対応としては非常に難しく、多くの場合、セックスレスであること以外は非常に仲の良い夫婦 だったりすることも多いのです。そのため、どうしても夫の深層心理に関る部分に解決の糸口を見出さなければならず、カウンセリングや催眠療法など、専門家の力を借りなければならない場合も多くなります。 ただし、やはりこの場合もあせりは禁物!夫にいくら強い口調で要求しても、あせらせたり無力感を強めたりするだけでかえって逆効果です。もし話し合える仲なら、しっかり向き合って話し合うこと、そして、協力してもらえるような状態であればそれに適したセラピーや精神セッションをお受けになられる事をおすすめします。 ③性嫌悪症このタイプは性欲低下症よりもさらに問題が深刻で、性欲低下症の場合はある程度は「がんばればなんとかできる」場合が含まれていましたが、この性嫌悪症にまでなってしまうと、積極的に 「セックスを拒む」 「絶対にしたくない」というように、かたくなに拒否し始めるのが特徴です。 この「性嫌悪症」という状態は、性欲低下症がさらに悪化したという場合かというと、そういうものでもないようで、何かのきっかけで 「妻がセックスの対象として見られなくなってしまう」 という深層心理に原因があるとかあるのではないかと言われています。よく言われているパターンは、具体的には次のようなものがあります。 ・妻の出産を境に「女性から母親」という目でしか見られなくなり、自分の中で「セックスする時だけ女性で妻」という切り替えができない」、そのため、「子供の母親を抱く」事に対して無意識からの罪悪感が植えつけられ、とてもそんな気分になれない、というパターン ・自分の母親に似た妻を選んだため、いつしかセックスの対象にできなくなってしまった。(これは同じく、妹や姉・親戚などに似たような人がいてもそのようになってしまう可能性がある。また、似ていなくてもなぜかそのようなすり合わせが深層心理の中にひとたびめばえてしまえ ば、同じような状況になってしまう事もある。癒着の心理ともいう。) ・夫は非常に妻をかわいがるが、妻を愛するというよりも我が子のように溺愛するようになってしまい、逆にそのようなかわいがり方をしている妻に対して「セックス」を持ち込むなんてもってのほかだと感じるようになってしまう。 (その他、過去の失敗や、パートナーの満足のいくセックスができるかどうかなどの不安、またそのようなプレッシャーをその都度受けながらセックスしなければならないといった事に対して「面倒だ」といった心理など、原因は多数考えられます。) このように、妻が他人から「肉親」のように、非常に近しい関係に感じられた段階から、「肉親をセックスの対称にする事はできない」という無意識からの抑制がかけられるために、やはり性欲相に問題を抱えてしまうパターンです。 この「性嫌悪症」は非常に治癒しにくく、また、その対象が「妻」に限定されてしまう事も多いため、他の女性と夫が関係を持ってしまう場合もあり、妻だけが悩むという事が多いのも問題です。 治療としては、性欲低下症に準じます。 ④女性に対してのトラウマ・性的コンプレックスなど 過去の女性関係がトラウマになっていたり、性的なコンプレックス(特に性器に関する悩みやセックスのテクニック的なこと)などを持っていた場合、なにげない妻の一言が思わぬきっかけになって、その後のセックスレスを引き起こすこともあります。 十分注意するとともに、できればそのきっかけとなった場面を思い出し、もし少ないながらセックスするチャンスがあるのであれば、そのときになにげなくフォローする言葉(独り言のように言うなど、不自然でない様に)をかけてあげて下さい。男って、そういうところは本当に弱いんです。
